遅咲き桜

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zoom RSS 緋寒桜の咲くころに

<<   作成日時 : 2011/02/08 10:46   >>

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 慌ただしく動き回る人の中を車椅子に乗せられたエディを見たスタッフの数名が、見覚えのある血だらけの彼を見て、顔を引き攣らせていた。
 通された処置室は昨日と同じ場所であった。
 「何をどうしたら、こんにな毎日怪我をするんですか?」 呆れるようにやはり今朝消毒をしてくれたドクターが声を掛けた。
 「あっ、横転した車の下敷きになった男性を助けた時に、血液に触れてしまったようで・・彼も傷がありますので念のため・・」 付き添ってくれた救急隊員がドクターに説明してくれた。
 「大丈夫だと・・・思いますけど・・」 エディの口調も弱かった。
 「それは検査してからだ。感染症・・一応HIV簡易検査もしておきたいのですが、同意していただけますか?」
 「HIV・・」
 「そう、そのほかにも感染症がその男性が罹患していた可能性があるからです」
 「判りました。お願いします」 エディも事の重大性を認識し始めた。
 処置台でシャツを脱ぎ、血液で染まった包帯をドクターが素早く解いていった。
 血液は今朝交換したばかりの傷口を覆うガーゼにまで達していた。
 ガーゼをゆっくり剥がしたドクターは、まだ難しい顔をしていた。
 「・・・少し傷口から出血してますね・・このガーゼの血液が君の物なのか助けた男性の物なのか、判らないが・・それにしても、無謀にも程がある。人助けも命と引き換えじゃ、何にもならない」 厳しい口調でドクターがエディをたしなめた。
 「そうですね・・ただ、下敷きになっていた男性が知り合いに似ていたもので・・」
 「とにかく検査結果を待ちましょう」 腕から胸に付着した血液をナースが丁寧に拭き取ってくれた。
 「ドクター・・」 勢いよくナースが一枚の用紙を手に持って戻ってきた。
 「ハァ・・」 ドクターは大きく溜息を吐き、エディを見詰めた。
 「どうなんですか?」 鼓動が早くなるのをエディは感じた。
 

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