遅咲き桜

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zoom RSS 緋寒桜の咲くころに

<<   作成日時 : 2011/02/18 21:09   >>

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 メールはランスからだった。
 “今夜時間取れるかしら?エディのことで新情報が判ったから話たいの・・宜しく”
 「エディの・・」 
 “勿論、何時にどこで・・” 即返事を返したが今すぐにでも、ここから抜け出しランスの許に駆けつけ話を聞きたかった。
 しかし、メールでは書けない内容だとしたら、かなり込み入った事情に違いない。
 スタジオに戻ってもタカシの気は、漫(そぞ)ろだった。やけに時間の経つのが遅く感じられ、意識は時計にばかり向かっていた。
 トイレに行くふりをして、メールをチェックするとランスから返信があり、スタジオまで迎えに来てくれるということだった。
 ダンにも連絡は、したのだろうか?
 あれ以来ダンはDVDへの出演依頼で嬉しい悲鳴をあげていたが、そんなのは本当の実力じゃないと、ランスは強く彼を批難していた。
 しかし、それがたとえ‘棚ボタ’的な理由にしろ、運を掴むことも実力のようにタカシには思えた。
 極々近い未来の事でさえ、想像も出来ないでいるタカシに比べれば、ダンのしている事に対して何一つ意見など言える立場ではなかった。
 撮影が少し押していて遅れそうだとメールしたタカシが、急いで片付けをしていると受付のナンシーが‘下でお客様がお待ちです’とそっと後ろから耳打ちしてくれた。
 タカシは暖かい吐息に背筋がザワザワと逆立つのを感じた。
 ラセン階段を降りていくナンシーを追いかけるように、慌てて階段を半分降りるとロビーのソファーにランスがちゃっかり坐り込んでいた。
 「ランス・・」 格子の隙間からタカシが声を掛けた。
 「タカシ・・。ここ、一回来てみたかったのよ!」 片手を挙げて返事をしたランスは気楽なもので、ゆっくと立ち上がるとタカシの許に歩み寄ってきた。
 「もう直ぐ終わるから・・・大人しく・・」 タカシは辺りを見回し小声で話しているとランスに遮られた。
 「急がなくてもいいのよ、あのナンシーとおしゃべりして盛り上がってたから・・」
 人の気も知らずにいい気なものだと思いつつも、誰とでも打ち解けてしまう、このランスの才能をタカシも見習いたかった。
 つづく・・・ 

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