遅咲き桜

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zoom RSS 緋寒桜の咲くころに

<<   作成日時 : 2011/02/06 20:26   >>

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 「停めてくれ・・」 エディはドライバーに叫ぶと、停まりきっていない車から飛び降り、事故現場に向かって走り始めた。
 車の下敷きになった血だらけのアジア系男性がタカシに見えたのだった。
 ガソリンが気化して辺りに発ち込める中、咽(むせ)びながら現場に近づいた。
 横転した車を持ち上げようとする救急隊員と警官にエディも加わり、微かに浮いた車の隙間から横たわる男をエディは自分が傷を負っていることも忘れて無我夢中で引きずり出した。
 救出した男からはシャツが深紅に染まるほどの出血があった。
 「離れろっ、爆発するぞ・・」 誰かが大声で叫んだと同時に耳をつんざく爆音がとどろき、爆風と炎が辺りを包み込んだ。
 エディは男に覆い被さるように路面にうつ伏せると、頭上を熱風が吹き抜けた。騒然とする中、消防隊員が二人の安否を確認しに走り寄って来てくれた。
 「彼を・・早く・・」 エディはそれだけ伝えると、ストレッチャーに男を乗せ救急車は足早に走り去っていった。
 エディも救急隊員の肩を借りて立ち上がり救急車に誘導された。
 「あなた俳優の・・、どこが痛いですか?」 血だらけのエディに救急隊員が声を掛けてくれた。
 「いやっ、俺は手を貸しただけなので・・」 
 「でも、凄い出血ですよ」
 「これは、下敷きになった男性のモノで・・」
 「えっ、素手で血液に?怪我とかしていないですよね?」
 「・・・昨日ちょっと腕を・・・」 シャツの袖を捲りあげた。
 「何て無茶なぁ・・」 隊員の顔が蒼ざめていた。
 怪我人とエディが運び込まれたのは、昨日エディが処置を受けた病院であった。
 事件を聞きつけ報道関係者と野次馬が大勢病院の搬入口近くに屯(たむろ)っている中、救急車から降りるエディは眩しいほどのフラッシュに曝された。
 

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